いとまのはなし。

大学3年生 20才 金儲け学部。「喧騒に暇を、退屈には毒を」「潔癖な感性で何ができる」

無邪気と気遣い、赤

地下鉄のプラットホームの椅子。

男が、座って足を組んでいた。俺がその前を通るときに、彼は、俺が躓かないように、左の脚に乗っている右脚を少しだけ引っ込めた。

世界はこれくらいの無邪気さと気遣いとで回っている。

誰もが誰かの邪魔を常にしている。でもそれに気づくのは、その出来事が目の前で起こった時だけだ。目の前で誰かが悲しんだ時だ。

世の中は、無邪気さと、そして少しの気遣いで、今のところ回っている。 

 

赤色が好きだ。燃えるような赤色が好きだ。赤色を見ると心が暖かくなるような気がする。

でも、いくら赤色が好きだと言ったところで、例えば、いま隣でドアにもたれかかってスマホをいじっているいる彼女が、自分と同じように赤を感じているとは限らない。同じものを見ていても、自分と他の人が全く同じようにそれを見ているとは限らないのだ。自分のとっての赤があの人にとっての青だったりするかもしれない。

でも、大抵の人は、高校球児の敗戦の涙を見て感動するし、ゴミに群がるカラスに嫌悪感をいだく。

そんなもん。

同じものを見て同じように感じられる人がいるこの世はそれなりに素晴らしい