いとまのはなし。

大学3年生 20才 金儲け学部。「喧騒に暇を、退屈には毒を」「潔癖な感性で何ができる」

週末を待ちくたびれて/卒業

何に対してなのかは分からないけれど、それでも、漠然と不安になる。

「漠然とした不安」で自死を選んだ偉人がいるが、「自殺をするヤツはバカだ。生きていさえすれば、あとはどうにかなる。自分で死んじゃダメだ。」と常々言っていた父は、頑なに病院に行きたがらない人だった。結局、ある意味で緩やかな自死を選んでいたように思う。その父も最近病院に通うようになった。
若い時は多数のゴキブリと同居し、アパートの屋上にあった蛇口という名のシャワーを、近くを走るJRの車内からハゲに眺められながら浴びていたかつての若者も、加齢には勝てなかったようだ。
『平和の真似をした退屈が今日も続いてゆく。
週末を待ちくたびれていつか笑えますように』

 

小さい時によく遊んだ公園は、延長を続ける国道にもうすぐ踏み潰される。
高架下の駄菓子屋は店主の爺さんが死んで、ドリップコーヒー専門のカフェに変わった。オーナーは常にニット帽を被っている。
成人式の祝賀ムービーに登場した女教師は、「若かった」当時の面影を一欠片も覗かせず、無事にただのクソババアになっていた。「みんなと歳が近いから気軽に接してね。」この台詞を、同い年の友人が実習先で使ったと語っていたのは、ついこの間のことだ。


箸にも棒にもかからないような、クソみたいなひとつひとつ、の積み重ねで僕らは知らず識らずのうちに大人になる。

擦れて、忘れて。
『子供のままじゃだめだ。でも大人ってなんだ。』